for Purchase

不動産の購入

突然ですが、不動産とは何か知っていますか?不動産とは、通常、土地と建物のことをいいます。
厳密にいえば、建物だけではないのですが、ここでは簡略化して建物とします。
「じゃあ建築中で未完成の場合は建物と言えるのか教えてくれ」など、疑問が生まれるお客様は、ご相談の際にお聞きください。
色々な小ネタがありますので、楽しんでいただけると思います。

さて、何故こんな基本的なことを書いているかというと、どこの不動産屋さんに行っても、こんな話は出ないからです。
来店されたお客様に「不動産とは何か知っていますか?」なんて言ったら、一発で変人認定されてしまいます。
しかし、情報が溢れるこの時代に、他の不動産屋さんが教えてくれることや、物件情報を載せても、お客様のプラスにはならないでしょう。

物件情報はスーモやアットホームを覗けば、誰でも簡単に手に入れることができます。
スーモをずっとご覧になっているお客様のほうが、不動産屋さんより新着物件を早く知ってることも多々あります。

そこで、当社のホームページでは、ちょっと違った視点から不動産について知ってもらいたいと思っています。
不動産に限らず、商品(車でもスマホでも)を買うときは、プラスの面だけでなく義務やリスクが必ず生じます。
不動産の購入前に、正しい知識を習得し、リスクをできる限りコントロールして、素敵なマイホーム生活を始めましょう。

分量が多いので、週末やお時間のあるときに、ビールを片手にご覧ください。
当社のホームページが、お客様のマイホーム探しの一助となることを願っています。

経済的利益、コスト、そのほか

不動産を買うと、どうなる?

1
軽視されがちなこと

不動産は、資金さえあれば、誰でも自由に買う事ができます。
したがって、買い手が見つからない限り、売ることができない「売却」よりも「購入」のほうが簡単と言えるでしょう。
もちろん、理想の物件を「購入」することは難しいのですが、それ以上に「売却」は難しいといえます。

不動産を買うと、所有者になり、色々な権利と義務が発生します。
例えば、工作物責任を負うため、自宅が壊れて人に危害を加えてしまったら、その損害を賠償しなければいけません(民法717条)。
家を借りていても責任は負うのですが、所有者になると過失(落ち度)の有無を問わず責任を負うことになります。
昨今、空き家の問題がニュースになっていますが、古い建物、塀や擁壁(ようへき)を放置しておくと危ないということです。

不要な空き家なんて売ればいいのに・・・、ここでハッと思った方、鋭いですね。
そう、簡単に売れないんです。
売却が難しい理由には、①売却活動をする時間や気力がない、②そもそも買いたい人がいない、などがあります。
①は解決できますが、②を解決するのは難しいでしょう。

「壊れて危険なら廃棄すれば?」・・・名案ですが、それは車です。
不動産(土地)は廃棄することができません。土地はこの世から無くならないという特性(永続性)をもっています。
2023年4月に相続土地国庫帰属制度(土地を国に引き取ってもらう)がスタートしましたが、要件が厳しく、崖地などは不承認となります。
ほかにも、建物があったらダメ、土壌汚染や地下埋設物があるとダメ、紛争があるとダメ、など沢山の要件があります。

不動産は、私たちにたくさんの幸せをもたらせてくれる、素晴らしい財産です。
しかし、基本的なことをすっ飛ばして購入すると後々「そんなの聞いてないよ!」となりかねません。
誰もが皆、早くマイホームを手に入れたい気持ちになりますが、まずは基本をしっかりと把握しましょう。
不動産の購入も、やはり、急がば回れなのです。

2
不動産の価値とは

「これじゃ不動産を買うと責任ばかりで権利を得られないじゃないか!騙す気か!悪徳不動産屋が!」と仰る方もいるかもしれません。
安心してください、書いていきますから。

不動産の価値は、見方によって沢山ありますが、ここではマイホームという視点で考えていきたいと思います。
まず、家を借りるよりも買ったほうが、建物の性能や設備の機能性は優れていることが多いですし、面積も広くなることが多いでしょう。
夏は涼しく冬は暖かい家、理想的ですよね。家の中でおもちゃを広げて遊んだり、友達を呼んでちょっとしたパーティーも出来ます。
戸建であれば、庭や駐車場も手に入れることができますし、共用部分(集合ポストや廊下など)がないのでプライバシー性も高まります。
これらは、居住の快適性や満足度の向上につながりますが、れっきとした不動産の価値です。

また、マイホームであれば、大家さんの都合(老朽化による建て替えなど)で引っ越す必要もありません。
学区が変わってしまう事も、買い物や通勤が不便になってしまう事も、次の住まいが見つからないという事も、ありません。
日本は世界一の長寿の国ですが、高齢者は賃貸住宅を満足に借りられないのが実情です。
大切な住まいを突如失わない安心感、これも価値でしょう。

所有することによるステータスもあります。
「俺(私)マイホーム買ったのよ」という台詞、カッコいいと思いませんか。
高級車や高級バッグと同じように、マイホームはステータスという認識が大勢です。
タワーマンションはその傾向が顕著だと思います。

ところで最近「不動産は負債」という言葉が受けるみたいなのですが、不動産は資産です。
「不動産は負債」という論拠は、価値が目減り(減価償却)していくからだそうなのですが、負債は減価償却しません。
企業会計上、減価償却は、償却”資産”が対象です。
負債が減価償却するということは、時が経てば、勝手に借金が減っていくという事です。あり得ないです。

しかし、言いたいことはわかります。
恐らくこの発言の真意は、例えば5,000万円の不動産を購入しても35年後には5,000万円の価値はないよ。というところにあります。
これは正しくて、土地は経年劣化(老朽化)しないのですが、建物は時の経過とともに老朽化していきます。
したがって新築で買った家も、5年、10年、15年・・・と時の経過に伴って価値は下落していきます(減価スピードは建物毎に異なります)。
また、人口減少の著しい地域や交通利便性の劣る地域などでは、土地の価値も年々下落していきます。

そこで「最初から価値が下がるってわかってるのに何で買うの?」という論争に行きつくわけです。
結論は、家族皆で楽しく幸せに、安心して住める場所が欲しいから。これに尽きるのではないでしょうか。
単身の方であれば、マイホームに住むことでギアが一段二段と上がり、仕事もプライベートも充実させることができます。
私たちは、長い人生のうち、多くの時間を自宅で過ごしており、マイホームは「人生そのもの」と言っても過言ではないでしょう。

こんな事を言うと持ち家反対派の人に「合理的じゃないねぇ、ホ〇エモンはホテルらしいよ」と言われますが、気にする必要はありません。
人間は皆、自分は合理的に行動していると考えていますが、人間の大半の行動は経済合理性に反しています。

それに、家賃は1円も返ってきませんが、持ち家の場合は価値が大幅に下落しなければ、大きなリターンを得ることができます。
持ち家には、次節で述べるコストや価格変動リスクがありますが、それらを理解し、コントールできれば資産形成に繋がるわけです。
大切なことは、自分たちの買う家は将来的にどのような価値になるのか「マイホームの市場競争力」を把握しておくことです。

3
持ち家のコストには何がある?

不動産屋さんに行けば、マイホーム購入の資金計画書を作ってもらえます。
そこには、不動産そのものの価格、登記費用、仲介手数料、銀行の費用などなど、かなり細かく記載されています。
稀に、〇〇代行手数料という意味のわからない金員を徴収する不動産屋さんもいますが、そこは本質ではないので割愛します。

そして、資金計画書には、毎月のローンの支払額や管理費・修繕積立金も書いてあります。
今のアパートの家賃との差額まで記載されている場合があり、賃貸よりも持家のほうがお得に感じます。
不動産チラシで見かける「今の家賃と比べてみてください!」ってやつですね。

ところが、持ち家の場合は、賃貸と比べて、より広範囲でコストがかかります。
賃貸から持ち家に引っ越した場合にかかる費用には、①ローンの利息(金利変動リスク)、②屋根や外壁の修繕費用、③室内設備の故障、壁・床が老朽化したときのリフォーム費用、④擁壁(ようへき)の改修費用、⑤固定資産税と都市計画税、⑥売却時の損失などがあります。

  1. ローンの利息(金利変動リスク)
    よく言われることですが、変動金利の場合、金利上昇リスクがあります。
    当初の資金計画よりもローン支払額が増加する可能性です。賃貸の場合、不動産価格が上昇しても家賃は据え置かれることが多いです。
    もちろん、大家さんから家賃の増額を請求される場合もありますが(借地借家法32条)、居住用ではそのリスクは少なめです。
  2. 屋根や外壁の修繕費用
    賃貸の場合、屋根や外壁は大家さんが定期的に修繕しますが、持ち家の場合は自分たちで修繕する必要があります。
    車や家電と同じく、家も個体差があるため、ほとんど修繕せずに30年間雨漏りしない家もありますが、安心して住むためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
    当社では、戸建を検討されるお客様には、毎月1万円~1.5万円ほどを積み立ててほしいと提案しています。
    ちなみに、最終的に高くなるか安くなるかは運ですが、定期的なメンテナンスをせずに対症療法で住まわれている方もいます。
  3. 室内設備の故障、壁・床が老朽化したときのリフォーム費用
    一般的にキッチン、お風呂、洗面台、トイレなどの水回り設備は、10年~20年程度が寿命と言われています。
    設備も個体差があるため、10年足らずで壊れてしまうものもあれば、30年間使えるものもあります。
    これらも、賃貸であれば大家さんが直してくれますが、持ち家の場合は自分たちでリフォームする必要があります。
  4. 擁壁(ようへき)の改修費用
    擁壁とは、道路や隣地と高低差がある場合に土地が崩れないようにするための壁状のコンクリートです。
    開発分譲地などの新設擁壁の場合は、耐久性に問題はありませんが、昭和期~平成初期に築造された擁壁は老朽化が顕著です。
    擁壁の再築造・改修費用は、規模により大きく異なりますが、数百万円~数千万円です。不可能な場合もあります。
  5. 固定資産税と都市計画税
    これらは、持ち家の所有者に課される税金です。
    マイホームの場合、新築後3年間(又は5年間)の軽減措置があるため、その期間は少し安くなります。
    軽減措置終了後は、地域や土地・建物の規模によりますが、年間15万円前後かかるため、月換算1万円~1.5万円ほどの負担になります。
  6. 売却時の損失
    前述したように、持ち家の場合は、大きなリターンを得ること(売却益)ができます。
    例えば、5,000万円で購入した不動産を5,500万円で売ることができれば、500万円の利益が出ます(税金は考慮外とします)。
    さらに、住宅ローンを1,000万円すでに返済していれば、手残りは1,500万円にもなります(税金は考慮外とします)。
    逆に、さまざまな要因によって価値が下落し、4,000万円になってしまったら、1,000万円の損失が出ます。
    不動産は価値の変動する可能性が高い財産である。ということを理解しておきましょう。

このように賃貸から持ち家に引っ越すことで、新たに発生する費用は多岐にわたります。
保有コストをしっかりと理解した上で購入すれば、途中で行き詰ってしまうリスクは軽減できるのではないでしょうか。

夢のマイホーム

自分たちにあった不動産

1
購入目的をちゃんと話し合う

前章で、不動産を買う理由は、家族皆で住める場所が欲しいから。と書きましたが、もう少し細分化することができます。
例えば、①商業施設や交通機関などの利便性を求めて駅近マンションを買う、②住宅性能が高い快適な家に住みたい、③駅から離れていいから趣味や子供との時間を楽しめる大型の戸建が欲しい、④人生で一度は持ち家に住みたい、⑤資産形成の一環として、などがあります。

実はこれらのうち①、②、③は、すべて相容れないものです。①を希望する方にとって③は候補になりませんし、逆も然りです。
④は気持ちを尊重して、⑤は数字から考えているので、それぞれアプローチの仕方が異なりますね。

このように、ある人にとっては理想通りの不動産でも、別の人にとっては理想とかけ離れていることがあります。
そして、それは家族内でも同じことが言えます。夫にとっては良いものが、妻にとっては良いものではないのです。
マイホーム探しって「家って今後どうする?週末にちょっと見に行ってみる?」こんな会話から始まることが多いのではないでしょうか。
そして、家族で十分な話し合いが行われないまま、あれよあれよという間に契約まで進んでいた。というのはよくある話です。
購入した不動産が原因で、家族が不仲になってしまうことさえあります。

「週末はじめて見に行った不動産がとっても良かった!」と運命に感じるかもしれません、運命なのかもしれません。
不動産は、一つとして同じものが存在しないという自然的特性(個別性・非同質性・非代替性)を有しています。
その日に決めなければ、他の誰かにとられて、二度と同じような不動産が出ないかもしれません。
でも、不動産が原因で家族関係に亀裂が入ってしまうなら、誰かにとられたほうがよっぽど良いです。
購入目的・理由を家族皆でちゃんと話し合って、全員が納得できる不動産を見つけましょう。

2
何に重きを置くか

内覧で初めてお会いしたお客様から「この家はおすすめですか?」と聞かれることがあります。
営業マンであれば最高の笑顔で「おすすめです!」と答えるべきですが、実は答えに窮してしまう事があります。
お客様も深い意味を聞いているのではなく、コミュニケーションをとってくださっている側面もあると思います。

プロなら、バシッと言い切った方が説得力はあるし、お客様からの信頼も高まりそうです。
しかし、予算、場所、間取りなどがお客様の条件通りでも、お客様が「何のために不動産の購入を検討しているか」によって、おすすめか、そうでないかは変わります。それゆえ、即答できないのです。

例えば、通勤の利便性に重きを置いて短期的に住む計画なら、築年数の経過したマンションは、価格も抑えられておすすめかもしれません。しかし「賃貸は資産として残らないけど購入すれば子供に資産を残せる」と考え、将来的な資産性に重きを置いているなら、築年数の経過したマンションはおすすめとは言えないかもしれません。

不動産は一つとして同じものが存在せず、たくさんの不動産を見ていると何が正解かわからなくなることがあります。
そんな時は、購入目的から一歩踏み込んで「自分たちは何に重きを置いているか」確認してみてください。
自分たちにあった不動産を見つけやすくなると思います。
「何で家を買おうと思ったんだっけ?」という風に原点に立ち返ることも有効です。

3
予算の決め方

不動産は住宅ローンを利用して購入するケースがほとんどです。
そこで、いくらの不動産を買うのか、言い換えれば、いくらの住宅ローンを組むのか、非常に悩むところです。
ネットサーフィンをしていると「住宅ローンは年収の5~6倍までが目安です。」と書いてある記事を見かけます。
食費、医療費、学費、光熱費、雑費、さらには固定資産税など、かなり緻密な計算が行われています。
ファイナンシャルプランナーが監修しているから、きっと正しいのでしょう。もっとも、住宅ローンは安いに越したことはありません。

しかし、よく考えれば無謀な目安です。
年収500万円であれば、住宅ローンは2,500万円となりますが、諸経費を200万円とすれば、不動産そのものの価格は2,300万円です。
戸建を建築するためには、ローコスト住宅でも1,500万円前後はかかるため、土地は800万円で探さないといけません。

当社は、藤沢市にある不動産会社ですが、藤沢市内だと800万円の土地は中々見つかりません。
もし見つかっても、それは市街化調整区域(建物の建築が原則不可)か、擁壁の老朽化などの減価要因のある土地でしょう。
また、建築費を抑えることは、建築資材の品等を下げることを意味しますので、建物の耐久性が落ちるため、修繕費は高くなります。
このように考えると「住宅ローンは年収の5~6倍」は計算上は正しいのかもしれませんが、現実的ではありません。
では、どのように予算を決めるかですが、ざっくりとしたフローは次のような感じになります。

住みたい場所の候補を順位づけます。

居住の快適性、利便性、地縁、実家との距離、地域の発展衰退状況など、購入目的と照らし合わせ、候補を絞っていきましょう。
第1順位、第2順位、第3順位・・・と続けますが、それぞれの長所短所もちゃんと比較してください。
先輩が、知人が、友人が、ではなく、自分たちにあった不動産を見つけることが大切です。

第1順位の場所の大体の価格帯を調べ、月々の費用を計算します。

スーモやアットホームで、駅と徒歩分(又は住所名)を指定して、大体の価格帯を把握します。
戸建の場合、土地の形状が不整形だったり崖地の場合は、相場より価格が低くなります。
マンションの場合、築年数が古いと価格が低くなります。
月々の費用を計算します。ここでいう費用は、住宅ローン+前述の保有コストです。
月々の費用は、当社の不動産シミュレーターをご利用いただくと便利です。もちろん無償です。

親御様に最大限の援助を求めます。

マイホーム購入について親御様と話し合い、最大限の援助を求めます。
財産を贈与した場合は贈与税がかかりますが、マイホームの購入資金の場合は一定額まで贈与税が免除されます(令和5年現在)。
話し合いの結果、援助が受けられないこともあります。

手取り収入から生活費を差し引き、安定的に支払えるか検討します。

援助を受けられた場合は、その額を購入金額から差し引いてください。
例えば、5,000万円で購入予定で、500万円の援助を受けられた場合、4,500万円で再度計算します。
手取り収入から、毎月かかっている食費などの生活費を控除し、貯蓄に回す分なども考慮し、安定的に支払えるか検討します。

第2順位以降の場所について、STEP1からを繰り返します。

相場の把握・どのような不動産を購入できるかは、必要に応じて適宜アドバイスさせていただきます。
このフローは、ネットの記事と異なり、あらかじめ住宅ローンの金額をFIXしないものです。
そのため、候補の場所ごとに、自分たちが得られる効用(満足感など)と、経済的な負担を比較検討しながら進めることができます。

このような探し方を書くと「お客様が破産したらどう責任とるんだ!」と監修者からお叱りを受けると思います。
また「予め予算を決めないとマイホーム探しが長期化して家賃が勿体ない!」というお声もありそうです。
前述のとおり、住宅ローンの金額は安いに越したことはありません。
しかし、居住の快適性、利便性、住宅性能が劣ったり、擁壁崩落、自然災害の危険性を孕んでいたり、安い不動産には理由があります。
長期化することによる家賃も、購入金額や購入後にかかる費用から考えれば大きなものではありません。
ご希望地域の価格水準や不動産の個性を全く考慮せずに予算を固定することは、必ずしも適切なマイホーム探しとはならないのです。

金利以外にも大切なことがある

住宅ローンは奥が深い

1
金利と価格の関係

一般の経済法則では、需要(買いたい欲求)と供給(販売量)の原則が成り立っています。
ある財の需要量を供給量が上回っている場合、超過供給が存在し、需要量と供給量が等しくなるまで、価格は下落します。
逆に、需要量が供給量を上回っている場合、超過需要が存在し、需要量と供給量が等しくなるまで、価格は上昇します。

不動産の場合、金利が上昇して審査に通らなくなったり、借りられる金額が減ったりすると、需要が減少します。
需要量(不動産の購買欲)を供給量(不動産の販売量)が上回っている状態になるので、売れ残りが発生し、価格は下落します。
逆に、低金利の時代は、審査が通りやすく借りられる金額も増え、需要が旺盛になることにより価格は上昇します。
不動産の価格は、金利のみで決まる訳ではありませんが、金利と価格の原則的な関係性を知っておきましょう。

念のため補足ですが、住宅ローンを借りる銀行によって、個々の不動産の価格が変化するわけではありません。
市場全体として、高い金利の時代には全体的に不動産価格は低くなり、低金利の時代には全体的に不動産価格が高くなる傾向があります。
いつの時代も一番低い金利を提案してくれる銀行で借りることがおすすめです。
ただし、後述する団体信用生命保険や銀行の諸費用によっては、最安値の金利ではない銀行で借りる方が適している場合もあります。

2
団体信用生命保険

団体信用生命保険とは、いわゆる「団信」と呼ばれているものです。
住宅ローンを借りている人(債務者)が、死亡又は高度障害状態になった場合、住宅ローンの残債が免除されます。
ざっくりのイメージは「住宅ローンの借入残高と同額の保険金がおりる掛け捨てタイプの生命保険」です。
例えば、5,000万円の不動産を購入し、残高4,500万円で債務者が不慮の事故により亡くなった場合、4,500万円の保険金がおりるイメージです。

フラット35を除く民間の銀行の住宅ローンを借りる場合、一般団信(死亡又は高度障害)への加入が原則義務付けられています。
さらに手厚い保障を希望される場合、一般団信に加え、三大疾病保障(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)などを任意で追加できます。
三大疾病保障特約などを追加するためには、金利上乗せが必要ですが、上乗せされる金利は、各銀行によって異なります。
そのため、銀行選びは、通常金利(純粋な住宅ローンの金利)に団信の上乗せ金利を加えた合計で比較することが大切です。
例えば、A銀行は通常金利0.4%で三大疾病保障+0.1%の上乗せ、B銀行は通常金利0.3%で三大疾病保障+0.25%の上乗せだった場合、最終的な金利はA銀行が0.5%、B銀行が0.55%で、A銀行が0.05%お得になります。

昨今、ネット銀行の金利が低いことが注目されています。
さらに、金利が低いだけでなく、金利上乗せなしで、一般団信+αの団信がつくなど保障面も手厚いです。
しかし、金利上乗せなしの団信や幅広い疾病に対応するタイプの団信は、適用の条件が厳しいことに十分留意する必要があります。
例えば、C銀行では就業不能状態が2年間継続しなければ保険金は支払われませんし、D銀行では入院日数が連続31日以上、その日以後も150日継続して入院しなければ保険金が支払われないという条件になっています。非常に厳しい条件ですよね。

これらは、被保険者のしおりや住宅ローン紹介ページの注釈(米印やアスタリスク)に記載されていますが、不動産の内覧、重要事項説明の理解、契約書の確認・署名、住宅ローン契約、登記など、多量な手続きに負われている中で、隅々まで確認するのは困難ではないでしょうか。
支払われると思っていた保険金がおりないほど、怖いものはありません(優秀なFPさんが言ってました)。
なお、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の保険金支払い条件は、一部の銀行(保険引受会社)を除き、概ね同様の条件になっています。

色々な病気に対応しようと思った結果、何も保障されないという最悪の事態に陥らないためには、マイホームの候補を絞る前の段階から、自分たちに必要な保障は何か、家族で十分に話し合ってください。
連帯債務(ペアローン)の団信は、分量および留意点が非常に多いため、ここでは割愛しますが、些細な事でも遠慮なくご相談ください。

3
最適なローンとは

第一節では主に金利、第二節では主に団信について書いてきました。
ここまで読んでくださった方なら、最適なローンの答え、出ているのではないでしょうか。

そうです、金利 + 団信 です。

金利が低くても、自分たちにあった保障プランがないのなら、その住宅ローンは最適とは言えません。
逆に、保障が手厚くても、金利が高くなってしまうと返済自体が厳しくなってしまいます。
金利の低さと自分たちにあった保障を併せ持つ住宅ローンこそが、最適なローンだと考えています。

そしてこの第三節では、金利と団信という最重要ファクターのほかに、知っておくと役立つ(かもしれない)ことを三つ記載します。

  • 頭金
    親御様からの援助がある場合、頭金は躊躇なく使うべきですが、自分たちの預金はできる限り温存しておきましょう。
    不動産の保有コストは多岐にわたりますので、温存しておくと有事の際に速やかに対処することができます。
    ただし、借入条件として頭金が必要になるケースもあるので、その場合は他銀行とも比較しつつ、頭金の使用を検討します。
  • 融資手数料と保証料の違い
    融資手数料と保証料は、住宅ローンを利用するための費用で、いずれか一方を銀行などに支払います。
    これらの費用は名目により金額が多少異なるものの、ローンを予定通りに返済した場合に大きな差はありません。
    しかし、ローン返済中にマイホームを売却した場合、融資手数料は返還されず、保証料は返還されるという違いがあります。
    そのため、相続や転勤などによる売却可能性がある場合、金利や金額だけでなく両者の性質の違いにも留意する必要があります。
  • 借入期間
    住宅ローンは、一部を除いて借入期間の最長は35年です。
    借入期間が長くなると利息も増え、結果として支払総額も増えますが、借入期間を長く設定することで月々の返済額を抑えることができるため、安定的な返済が可能となります。実際にそのような理由から35年で借りる方が大半を占めています。
    借入期間の長期化により、老後が不安な場合は、お子様が大学に進学した後など、タイミングを見て繰上返済を行いましょう。

このように、住宅ローンには金利以外にも色々と検討すべき事項があります。
これらの検討には、そこそこ時間がかかるので、できるだけ早い段階で検討しておきたいところです。

お客様第一主義

ホープルだからできること

ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございました。
実はこれら以外にも「どういう所に気を付けて不動産を見ればいい?」とか「注文住宅で設備つけるかつけないか迷った時の判断基準は?」などなど、沢山書きたいことがあるのですが、分量が今以上に多くなってしまうため、それらは別の機会に譲りたいと思います。
具体的なご質問があるお客様は、ご相談の際に遠慮なくお聞きください。丁寧にお答えいたします。些細な事でも構いません。
最後に「ホープルの強み」を一部ご紹介いたします。

1

お客様ファーストの姿勢

不動産に限らず、営業職では成績に応じた給与が支給されます。
優秀な担当者に成績に見合った給与を支給するのは企業活動として当然ですが、そのような環境下ではお客様に寄り添った提案をすることは困難でしょう。
当社では、お客様、士業の先生、FPさん、銀行、住宅メーカーから、お客様を広くご紹介いただいておりますので、契約ノルマのためにお客様を急かすことはありません。
人生で一度あるかないかの不動産購入、急かされることなく、十分に納得して決断したいものです。
当社は設立以来、お客様ファーストの姿勢を貫いています。

2

オーダーメイドの提案

インターネットの普及によって、お客様と不動産会社の物件情報に大差は無くなってきました。デベロッパーが取り扱う水面下の情報を除けば、多くの物件はスーモなどに掲載されています。
そして、不動産の購入はどこの不動産屋さんを通じても「不動産を買う」という結果は変わりません。
このような情勢では、単に契約を進めるだけでは不十分で、お客様のご要望をしっかりとお伺いし、リスクが過大な時には反対意見も述べるなど、お客様の夢を叶えるための提案力が大切です。
どんな基準でどんな不動産を選ぶべきか、当社はお客様一人ひとりにオーダーメイドの提案を行っています。

3

豊富な知識を提供可能

当社の代表者は「不動産鑑定士」試験に合格しており、現在は最終関門的な位置づけである、修了考査に向けて日々研鑚に励んでいます。
不動産鑑定士は、弁護士・公認会計士と並び、文系三大難関国家資格とも言われ、不動産系で最高峰の国家資格です。
有名な「宅建士」と比較しても合格までに必要な勉強時間は10倍に及び、非常に多くの知識が要求されます。
当社は、豊富な知識でお客様を親切丁寧にサポートいたします。

4

充実した保証・サポート

中小規模の不動産会社では、契約後の保証やサポートが充実していないことが多いのが実情です。
当社では、大手不動産会社と同等かそれ以上のレベルまで保証などのサポートを手厚くいたしました。
例えば、売却・購入した住宅に不具合が起きても一定金額まで保証を受けることができます。
さらに、事前に建物や設備の検査を行なって見えない不安を解決し、安心安全な不動産売買を実現しています。

これからも「不動産のことはホープルに相談してみよう。」お客様からこのように言っていただける存在を目指します。

Read more
こちらもご覧ください
売り手の視点も見てみませんか?
サービスは充実しているの?
専門家に相談してみましょう
FAQ

よくあるご質問

Q
サービスの特徴は?

当社の購入サービスは、端的に言えば、不動産のリスクや短所を丁寧に説明し、価値判断材料を提供することで、買主様に不測の損害を与えないことを目的としています。
当社では「不動産を買うとどうなる?」という基本的な話から購入時のポイントまで親切丁寧にご説明しています。
お気軽にご相談ください。

Q
不動産購入の流れは?

大まかな流れは以下のとおりです。

希望の条件と予算を決める

物件選び・内覧などを行う

希望の条件と予算を改めて整理する

住宅ローンの事前審査

良い物件が見つかったら購入申込

重要事項説明・契約

住宅ローンの本審査・契約

お引渡し

お客様のご事情により異なりますので、お気軽にご相談ください。

Q
購入までにかかる期間は?

お客様によって大きく異なるため、2~3か月で見つかる場合も、半年~1年以上かかる場合もあります。
1か月弱で見つかることもありますが、即断即決はあまりお勧めしておりません。
お客様のご要望をお聞きして提案させていただきます。

Q
購入にかかる費用は?

一般的には以下のような費用が発生いたします。

・登記費用(条件等により異なります)
・仲介手数料(売買価格の約3%)
・住宅ローンの費用(条件等により異なります)

購入する不動産や条件により異なりますので、お気軽にご相談ください。
なお、当社では簡単入力の高精度シミュレーターをご用意しています。
ぜひ一度ご利用ください。

会員登録不要、もちろん無料です!
Q
御社に出向かないと資料は見せてもらえませんか?

わざわざお越しいただく必要はありません。
基本的にメールやLINEなどで物件情報をやり取りしています。
お客様と当社が気になる物件や良さそうな物件を双方で送りあうイメージです。

Q
乳幼児がいますが大丈夫ですか?

問題ありません。
授乳休憩やオムツ交換の時間をとります。
当社の代表者も子育て中ですので、どんな事でもお気軽にご相談ください。

家や植栽などは壊さないように見守ってください。
当社に対してではなく、売主に対して損害賠償責任を負う事になってしまいます。

記事URLをコピーしました