不動産売却の完全ガイド

不動産の売却は、単なる資産の移転ではありません。
大切に育んできた想いや歴史を、次の世代へ繋ぐ人生の大きな節目です。

しかし、不動産会社との意思疎通の不足や、事前の準備を曖昧にしたまま進めることは、思わぬトラブルを招くリスクにも繋がります。このページでは、不動産売却の流れに沿って、実務上トラブルになりやすい点注意すべきポイントを、不動産鑑定士・宅建士の視点で体系化しました。

「安心・納得のいく不動産売却」への道しるべとして、ぜひお役立てください。
※用語の意味を知りたいときは、「専門用語かんたん解説」ボタンを押すと表示されます。

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不動産の方針を決める

不動産は、売却だけが正解とは限りません。
不動産をどのように活用するか、方針を慎重に考えましょう。
売る、貸す、リフォーム、建て替え。お客様にとって、どの手段が一番最適で安心なのか。
当社も、ご事情を伺いながら、専門家の観点からアドバイスいたします。

価格査定・方向性決め

一番大切なことは「本当に売れる査定価格」を把握することです。
価格査定は「最高値」を引き出すステップではありません。
中古車の査定とは異なり、その金額で売れる保証が全くないからです。
加えて、契約不適合責任に関する方向性など、契約条件の大枠を決めておきます。

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契約不適合責任とは

契約不適合責任とは、建物と土地が契約の内容に適合しない場合(不具合などがある場合)に、売主が負う責任です。買主は、売主に対して、損害賠償、契約解除、修繕、代金減額を求めることができます。
契約条件として「契約不適合責任を免責する」ことができますが、契約不適合責任が発生するかどうかは、免責条項の有無も含め、様々な事情を考慮して判断されます。

媒介契約締結・売り出し

「売却活動を依頼するため」の契約を不動産会社(当社など)と結びます。
実は、高い査定価格や会社の知名度といった表面的な数字は二の次です。
大切なのは、査定根拠が論理的でわかりやすく、親切丁寧に伴走してくれる担当者を選ぶこと。
依頼先によって、売却中の不安だけでなく、最終的な手残り資金まで大きく変わるのです。

建物調査・土地の現況測量・越境物確認

必要に応じて、建物状況調査と土地の現況測量を行います。
トラブルの種になりやすい越境物についても入念に確認します。
このような事前準備を曖昧にすると契約時に「そんなことは聞いてない」がいくつも生じます。
また、買主からの値引き交渉を避け、納得のいく価格で売却するための手段でもあります。

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建物状況調査とは

建物状況調査とは、建築士等の専門家による住宅の健康診断です。基礎・柱や梁(はり)・屋根など、建物の重要な部分を調査します。調査項目は既存住宅状況調査方法基準に定められています。水道などをつなぐ給排水管調査を追加項目に加えることができます。不具合がなければ健康的な住宅としてアピールできますが、調査費用がかかるため、状況に応じて実施するか選択します。不具合がある場合は修繕実施や修繕項目の参考とします。

現況測量とは

現況測量とは、現況の土地を測ることを意味します。隣接地の所有者とは立ち合いを行わず、境界標やブロック塀などを頼りに土地のおおよその形状や面積を求めます。

境界標とは

境界標とは、土地の境界(隣の土地との境目)の位置を表すための標識です。四角形の土地では、基本的には、敷地の四隅に一つずつ境界標が設置されています。

越境物とは

越境物とは、土地の境界を越えて隣地に出っ張っている、建物・ブロック塀・樹木などのことです。売主様の所有物が越境している場合は原則是正を行いますが、隣接地の所有物が売主様の土地に侵入している場合で是正が困難なときには、将来的に是正する覚書などを締結して対応します。
越境物は、目に見えるものだけが対象ではなく、地面に埋まっている配管や塀の基礎なども対象となります。これらは目視できず、役所の下水道台帳という図面でも簡単には確認できないため、トラブルになりがちです。入念に確認を行い、是正の段取りを組む必要があります。

建物の内覧

購入検討者の内覧が始まります。
第一印象の外観と玄関、そしてリビング、キッチンなどの水回りを中心に綺麗にしておきましょう。
真剣な購入者は、バルコニーなども見学しますので、洗濯物と内覧時間の工夫も大切です。
空き家の場合は、すべての部屋に照明を設置し、電気を使えるようにしておきます。

購入申し込みが入る

購入検討者から「購入申し込み」が入ります。
購入希望金額だけではなく、買主の属性や住宅ローンの審査内定状況も確認します。
不動産会社(当社など)を通じて、契約条件等を調整しますが、整わない場合は謝絶できます。

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買主の属性とは

買主の属性とは、勤務先や家族構成、融資利用の有無などの情報を意味しています。一般的な傾向として、大手企業に勤務の方は、ローン審査上有利で、高評価されることが多いです。

住宅ローンの審査内定状況とは

住宅ローンの審査内定状況とは、売買契約の"前"に「住宅ローンの仮審査」を行っているかどうかです。通常、住宅ローンは「仮審査」と「本審査」の二段階に分かれています。仮審査の内定が出ている場合は、売買契約の"後"に行う「住宅ローンの本審査」も内定が出る見込みが高いです。また、ローンを利用しない買主もおり、その場合は融資特約による契約解除の心配がありません。

融資特約による契約解除とは

融資特約による契約解除とは、売買契約を結んだ後、買主の融資(住宅ローン)が内定とならなかった場合に、違約金なく契約が解除される(初めから契約を結ばなかったことになる)特約です。
手順⑤に戻されてしまうため、売主様としては可能な限り避けたいものです。しかし、ローン利用の買主に対して特約を外すことは現実的ではないため、適切な判断ができる不動産会社に依頼することが大切となります。

買主と売買契約を締結

契約条件について、契約当日ではなく、事前に確認しておくことが重要です。
基本的には、不動産業界団体が作成した契約書のひな型を用います。
加えて、特約等を設け、売主様の不利益とならないように調整いたします。
※売買契約締結以降でも、一定条件の下で売主買主双方ともに契約を解除することができます。

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手付解除とは

売買契約時には、買主から売主様に手付金を交付することが一般的です。この手付金は、実質的には解約金として扱われ、契約締結後一定の時期までであれば、買主は手付金を放棄することで契約を解除できます。売主様から契約を解除する場合は、受領済みの手付金を返金した上で、手付金と同額を解約金として支払う必要があります。契約を解除すると、契約が初めから結ばれなかったことと同じ意味になります。

滅失・損傷による解除とは

大規模な自然災害、天災地変などにより、建物が滅失や損傷してしまった場合、一定の条件の下で、双方ともに契約を解除できます。手付金は返金となります。通常、お互いに損害賠償などを請求することはできません。

契約違反による解除とは

自身が引渡しに向けて手続きを行っているにもかかわらず、相手側が手続きを怠っている場合、手続きを行うように催促した上で、契約を解除できます。違約金を請求できる場合と請求できない場合があります。

土地の確定測量・地積更正登記・越境物の是正

引渡しに向けて、隣接地所有者立会いの下で確定測量を行います。
契約条件により、確定測量が不要である場合、地積更正登記という手続きが必要な場合があります。
これらの手続きは、早くて2か月程度で、数か月かかることも少なくありません。
越境物が存する場合には、是正するか、越境状態に即応した覚書を締結します。

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確定測量(境界確定測量)とは

確定測量とは、土地の境界線を確定するために、隣接地所有者(道路は市区町村等、民有地は個人や法人)立会いの下で行う測量のことです。境界標がない場合は、新たな境界標を設置します。確定測量によって作成した図面を「確定測量図」と言います。

地積更正登記とは

地積更正登記とは、登記簿に記載された土地の面積と、確定測量の土地面積が異なる場合に、登記簿面積を確定測量面積に修正する登記のことです。昨今、不動産売買におけるトラブル防止等の観点から、面積が異なる場合には、この登記を行う場合があります。

登記簿とは

登記簿とは、法務局(登記所)が管理する不動産の書類です。古くに登記された土地は、測量手法や技術が未発達だったこともあり、土地面積が異なる場合があります。

お引越し・荷物等の整理

買主側の手続き進行具合も確認しながら、お引越し準備を進めます。
動く家具や設備は、売主様に整理・処分していただくのが一般的です。
作り付けの家具は、通常、建物と同じように扱い、そのまま買主に引き渡します。
エアコンは原則撤去となりますが、実務的には売主様と買主が合意し、取り外さずに残すことも少なくありません。

設備・境界・越境物の確認

室内が空になった状態で、買主立会いの下、付帯設備表に基づき状況を確認します。
契約時の申告内容と相違がある場合は、修繕等の適切な対応を行います。
また、確定測量図を基に境界標を実際に指し示し、物理的な範囲を確認します。
越境物についても、お引渡し後にトラブルが生じないよう、該当箇所を最終確認します。

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付帯設備表とは

付帯設備表とは、売買契約時に取り交わす書類です。設備の有無、その故障状況、引渡しまでに撤去するかどうか等を記載します。例えば「給湯器:有、故障:無」と書類上は記載したのに、実際には故障している場合は修繕を行う必要があります。

決済・お引渡し

いよいよ最後の手続きです。
司法書士立会いの下、登記申請の手続きを行います。
残代金(売買代金-手付金)を全額受領し、固定資産税等の清算を行います。
登記に必要な書類、建物のカギ、設備の説明書などを買主に引き渡します。
※登記に必要な書類は、買主には直接渡さず、登記を担当する司法書士に渡します。

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固定資産税等の清算とは

固定資産税等の清算とは、市町村に納める固定資産税等を、お引渡し日前日までを売主様、お引渡し日以降を買主負担として実務上行う清算手続きのことです。関東・関西で地域慣行がありますが、藤沢市内の不動産の場合は、一般的には1月1日を基準として、お引渡し日以降の分を買主から売主様に日割りで支払います。なお、納税通知書は買主宛に再発行されないため、形式的には売主様に四期分の税金を納めていただきます。

不具合や欠陥について、一定期間責任を負う

お引渡し後は一定期間、不具合や欠陥に関する責任(契約不適合責任)を負います。
一般的には、設備は7日、雨漏れや地中埋設物等は3か月となります。
契約時に「責任を負わない」と取り決めていた場合は、免責となります。
※契約不適合責任が発生するかどうかは、免責条項の有無も含め、様々な事情を考慮して判断されます。

確定申告など

不動産を売却すると、税務上「不動産売却によって所得があった。」という形に見られます。
以前に「税金がかからない。」と聞いていても、確定申告を忘れないように気を付けます。
多くのケースでは、不動産を売却した翌年の2月に確定申告をする必要があります。

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確定申告(不動産売却による譲渡所得)とは

不動産売却により生じた所得は、給与などとは合算せず「譲渡所得」となります。譲渡所得が生じた(計算上利益が出た)場合には、確定申告が必須となります。一方で譲渡所得がマイナス(計算上は売却損が出た)の場合は、必ずしも確定申告を行う必要はありません。
この譲渡所得は、購入価格と売却価格の純粋な差ではなく、建物等の経年劣化を考慮して求める必要があります。また、譲渡所得の特別控除の特例という制度が複数あるため、特例を適用できるかどうか、十分に確認する必要があります。当社では、信頼できる税理士と密接に連携しております。

深掘り解説・専門トピック

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ここまで読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
「正直、不動産売却は長い道のりだ」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

御心配には及びません。
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ぼんやりしたイメージを一つずつくっきりさせ、納得感を持って前に進めるまでお付き合いいたします。
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  • 不動産を相続したが、どう進めたらいいかわからず停滞している
  • 自宅の売却を検討しているが、全体像が掴めず、一歩踏み出せない
  • 以前に不動産を手放そうとしたが「もっとこうしたい」という部分がある

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