今回は、不動産の価値・住宅の間取りを決定する大切な要素のひとつ、間口とは何か、正方形の土地と縦長の土地の長所や短所についてわかりやすく解説します。
もくじ
間口とは

土地や住宅を正面から見た幅、すなわちその土地が道路に接している長さのことを意味します。赤線の部分です。
土地の縦横比
正方形のA土地と縦長のB土地、どちらが優れているでしょうか。
実はどちらとも言えません。ケースバイケースです。
作りたい間取りや必要な駐車場の台数によっても変わるためです。
なお、縦横比と言っても様々ですから、今回は正方形の半分~7割程度の間口とお考えください。
正方形の土地

それでは、正方形の土地の長所と短所を見ていきます。
メリット
- 建物・庭などレイアウトの自由度が高い。
- 間取りの自由度が高い。
- 並列・縦列など駐車場の自由度が高い。
デメリット
- 駐車場次第では間取りに影響が出ることがある。
- プライベートゾーンを作りづらい(or費用がかかる)。
- 価格が高い。
間口が狭い土地(縦長)
つづいて、縦長の土地の長所と短所を見ていきます。
メリット
- サービスヤード・プライベートゾーンを作りやすい。
- 駐車場を並列2台とっても間取りに影響が出ない。
- 価格が安い。
デメリット
- 建物・庭などレイアウトの自由度が低い。
- 間取りの自由度が低い。細い家になりがち。
- 大きな開口部を設けづらい。
自分たちにあった土地を選ぶ
駅からの距離も広さも価格も全て同じ条件なら、間口の狭い土地よりも正方形の土地を選んだほうがたくさんの恩恵を受けられるはずです。
ただ、実際は価格が異なると思うので、自分たちのライフスタイルにあった土地選びをおすすめします。
間取りの自由度や開口部について考えてみます。
正方形の土地で解放的な間取りを作ったり窓をたくさん設けても、お仕事や外出の多いご家庭なら大きなメリットになりません。
間口の狭い土地でも同様の考え方ができます。
たとえ間取りの自由度が低くて細いお家でも、帰宅時間が日没後であれば大きなデメリットになりません。
一方で、外出が少なかったり在宅勤務だったり、自宅にいる時間が長いご家庭であれば、間口の狭い土地は避けるべきでしょう。駅から離れると選択肢も広がります。
今はなき間口税や窓税
余談ですが、近世ヨーロッパでは間口税や窓税という税金がありました。
間口の広い大きな土地を持っている人や当時高価だった窓ガラスの多いお家に住んでいる人は裕福という考えから導入されたそうです。
イギリスやフランスでは、窓税への対策として塞がれた窓が残っている住宅が今でも残っているそうです。ご旅行の際は見てみると面白いかもしれません。

日本でも江戸時代に間口税がありました。現在は廃止されています。
うなぎの寝床とも言われる京都の古い町屋は当時の節税の名残だとか。※諸説あるそうです。
まとめ
自分たちのライフスタイルによっては、形状はメリットにもデメリットにもならないことがあります。土地の形状が持つ特徴を知った上で、自分たちにあった土地を探しましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。